「兵法の智恵は、とりわけ稽古と実戦では違う。戦場では、万事あわただしいときであっても、兵法の道理を極め平静な心が保てるよう、よくよく吟味しなければならない」
宮本武蔵
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「兵法の智恵は、とりわけ稽古と実戦では違う。戦場では、万事あわただしいときであっても、兵法の道理を極め平静な心が保てるよう、よくよく吟味しなければならない」
宮本武蔵
「一対一の戦いにおいても敵の流派を見分け、相手の強弱や性格を見分け、敵の気持ちと違うことをしかけ、敵の戦意や調子の高低を知り、その間の拍子をよく知って、先手をかけることが肝要である。それぞれの景気(状況)というものは、自分の智力が強ければ必ず見えるものである」
宮本武蔵
「「崩れ」ということはなにごとにもあるものである。その家が崩れる、身が崩れる、敵が崩れるというのも、時機にあたり、拍子違いになって崩れるのである。合戦においても敵が崩れる拍子をとらえて、その機を逃がさないように追い立てることが肝要である。崩れるときの呼吸を逃せば、敵が立ち直ることがあろう」
宮本武蔵
「自分が敵になり替わって考えよ。世の中を見ると、盗みなどをして家の中に立てこもったような者でも、敵は強いもののように思いこむものである。しかし、敵の身になって考えてみれば、世の中の人をみな相手として、逃げ込んでどうしようもない気持ちである。立てこもつたものはキジであり、討ち果たしにくる人はタカである。よくよく工夫すべきである」
宮本武蔵
「合戦にしても、敵といえば強いものと思い込んで、慎重になるものである。しかし、自分は常に有能な軍勢を率い、兵法の道理をよく知って、勝ち方をよく承知していれば、心配することはない」
宮本武蔵
「「四手を離す」とは、敵も自分も同じ気持ちで張り合う状態になっては、戦いは決着がつかないということである。張り合う状態になると思ったら、すぐに戦法を変え、別の手段で勝つことを知るのである」
宮本武蔵
「「陰を動かす」というのは、敵の心が読みとれないときの方法である。合戦においても、どうにも敵の勢力や動きなどが見分けられないときは、自分の方から強くしかけるように見せかけて、敵の戦略を見るものである。敵の手の内を知れば、格段に有利になり勝利が得やすくなるものである」
宮本武蔵
「合戦では、敵に落ち着きがなく、ことを急ぐようにみえるときは、少しもそれに構わないようにして、いかにもゆったりと構えてみせると、敵も自分のことのようになって気持ちが弛むものである。そのゆったりした気分が移ったと思ったとき、自分の方から、虚心になって、早く強くしかけて勝つ利を得るのである」
宮本武蔵
「敵を動揺させることは肝要である。ひとつには「危険と思わせること」、ふたつには「無理と思わせること」、みっつには「予期しないこと」をしかけることである。よく吟味すべきである。合戦では、動揺させることが肝要である。敵が予期せぬときに激しくしかけて、敵の心の動揺が収まらないうちに、こちらが有利なように先手をかけて勝つことが肝要である」
宮本武蔵
「脅えるということは何ごとにもあるものである。思いもよらないものに脅えるものである。合戦の場合も、敵を脅やかすことは当然のことである。あるいは鳴り物の音でも脅やかし、あるいは小勢を大軍にみせて脅やかし、また脇から不意を突いて脅やかすこと、これで敵は脅えるものである。その脅える拍子をとらえ、その有利さによって勝つのである」
宮本武蔵
「敵を弱く見なし、自分が強いと思って押しつぶすという気持ちが大切である。合戦の場合にも、敵の少人数を見下し、または大勢であっても、敵がうろたえて弱みをみせたならば、潰すといって、最初から嵩(かさ)にかかって押し潰すということである。潰しかたが弱いと盛り返されることがある。手のうちに握って潰すという気持ちを、よくよく分別すべきである」
宮本武蔵
「敵が山と思えば海としかけ、海と思えば山としかけるのが兵法の道である」
宮本武蔵