「(会見の通訳について)自分としては、決して合格点をつけられる出来映えではありませんでした。これでクビだと思うほどに落ち込みましたね。でもどういうわけかクビにならず、これを機に、通訳の依頼が舞い込むようになったのです」
戸田奈津子
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「(会見の通訳について)自分としては、決して合格点をつけられる出来映えではありませんでした。これでクビだと思うほどに落ち込みましたね。でもどういうわけかクビにならず、これを機に、通訳の依頼が舞い込むようになったのです」
戸田奈津子
「ある日、転機となる出来事が起こりました。日本ユナイト映画の宣伝部長をしていた水野晴郎さんから、急遽来日が決定した海外映画プロデューサーの会見の通訳を依頼されたんです」
戸田奈津子
「字幕翻訳家の門は狭く、そうやすやすと入れるものではありません。結局、学校の紹介でとりあえず第一生命の社長秘書室に腰掛けのつもりで就職しました」
戸田奈津子
「業界へのパイプもないですし、そもそも正規のルートで翻訳家になる道はありませんでした。唯一の手がかりは、映画の中でクレジットが出てくる翻訳者に直談判すること」
戸田奈津子
「就職活動のとき、友人に「あなたは何になりたいの?」と聞かれて、無意識に出たのが「字幕の翻訳をやりたい」いう答えでした」
戸田奈津子
「高校生の頃は、おこづかいを切り詰めて映画館に通いました。新作の映画なんて当時の学生にとっては高嶺の花でしたから、3本や4本立てで100円とか、50円で観られる名画座によく行きましたね。大学生になってからは、友達に授業の代返をお願いして映画を観に行っていました」
戸田奈津子
「子どもの頃は本の虫でした。とにかく物語の世界が好きだったんです。本を読んだという経験が今の私の財産になっていると思っています」
戸田奈津子
「人生は1回しかないんだから、いやいや仕事をすることほどバカげた人生はないと思うんです。自分が好きなことをやる。しかも職業としてそれができたら最高だと思う」
戸田奈津子
「おかげさまで本当に長い間、たくさんの作品の翻訳をやりましたね。やめたいなんて思ったことは一度もないし、いつも楽しかった」
戸田奈津子
「字幕翻訳者になることをあきらめられなかったのは、映画が好きで、字幕翻訳が私にあっているという直感があったからです。その確信は絶対に揺るぎませんでした」
戸田奈津子
「うまい字幕というのは、最後まで字を読んだという意識を観客に抱かせないもの。もし字幕に意識がいくなら、それは字幕が下手なの。だから、字幕をやって「どうだ、うまいだろう!」と思うことはないですね」
戸田奈津子
「まるで旅をするように、それぞれが個性豊かな映画の世界を散策できる。字幕という仕事は、それがいちばんの魅力です」
戸田奈津子