「キャプテンを決める際に書き出した条件の中に、「周りに流されて、数の多い方になびく人間では駄目だ。」というものがあり、それを考えた時に諸岡のエピソードを思い出したのです」
清宮克幸の他の名言
「私が彼をリーダーにしようと思ったのは実は3年生の秋にオーストラリアにワールドカップを見に行った時でした。諸岡もオーストラリア行きのメンバーに入っていたのですが、行く前に「清宮さん、首の怪我を完治させて、ウエイトトレーニングをやりたいのでオーストラリアには行かなくていいですか。」と言ってきたのです。レギュラーになるか、ならないかぐらいの時でした。他の選手の感覚ですとオーストラリアに行ってワールドカップを見て、向こうで試合をしたいと思うのが普通ですが、彼はトレーニングのために日本に残ることを希望したのです。この時に、諸岡は自分の意志を持っており流されない強さがあるなと感じました」
「キャプテン候補の選手を自分の書き出した条件に照らし合わせ自分で点数を付けていきました。その結果、圧倒的に諸岡になったのです。それは、私の直観と同じだったので、「今期のキャプテンは諸岡しかない」ということになりました。まず本人に伝えたのですが、本人が一番驚いていました。社会人になって数年たった今、彼の同期を見ると、やはり諸岡が一番キャプテンらしかった、諸岡を選んで正解だったと思っています」
「(リーダー決定方法について)明らかな違いがある場合も多く、そのような時は、余計なことは考えずにすんなりと決めることができます。しかし、候補が複数名いるケースでは色々な条件に照らし合わせて考えました。例えば諸岡省吾(2004年キャプテン。現早稲田大学ラグビー部FWコーチ)をキャプテンに決定した時がそうでした。それまではキャプテンになる者はやはりプレイヤーでも一番という雰囲気がありました。しかし、必ずしもそれだけではうまくいかないということが分かり、自分の中で「今年のキャプテンは、どうあってほしいか」ということを書き出して考えました。例えば、グランドにずっと立っているということはもちろんなのですが、それに加えて「私と対等に話ができる」「プレイヤーとして実直である」などです。その時は、決めるのに時間はかかりましたが、私の独断で諸岡にしました」
「私は変な勘繰りや、深読みをせずに、自然に「この人間ならリーダーができる」と思った人間に任せるようにしていました」
「ラグビーで「逃げない」人の場合、ラグビーに限らず他のフィールドに身を置いた時も多分同じように「逃げない」のだと思います。もちろん成功するには「逃げない」だけではなく、「器用か不器用か」等他の要素も必要ではあります。ただし、ラグビー以外の場面でも「逃げない」ことが求められるのは同じではないでしょうか」
「(「逃げない」ということは)追い詰められた時に体を張ることができるということです。最後まで体を張るというのは方法を教えたからできるようになるという問題ではありません。そのため、これという人材を見つけたら、チャンスをたくさん与えて特別扱いします。ラグビーでは体を張れるか張れないかが重要です。理性がコントロール出来ている間は、ある程度体を張った逃げないプレーをすることはできます。しかし、プレー中には本能的に体が動く瞬間もあるので、本能的に逃げてしまう、もしくは顔を背けてしまうという性質は選手として致命的といえます」
「私はその人の根本となる部分が最も重要だと思っています。表面的な部分は色々な経験を経て変えていくことができますが、根本的な部分はなかなか変えられないですからね。ラグビーで言うと、根本の性質として「逃げない」ということが必要です」
「(監督業の面白さについて)例えば、料理をするときに目の前にある素材を使って、一番おいしそうに見えて実際食べてもおいしいものに仕上げていく楽しさに似ていると思います。私の場合は下馬評が低いとなおさら燃えますね」
「試合中はもちろん熱くなりますので檄も飛ばします。ただし、自分のエネルギーを次へ向かわせようと考えているので、試合後に怒っていたことを忘れてしまうというのはしょっちゅうです。例えば、選手に「辞めてしまえ!」とひどく怒ったことを次の日に忘れていたことがあります。その時は次の日にその選手の元気がなく、「元気ないな。どうしたんだ。」と声をかけたところ、「昨日、清宮さんにきつく言われたので・・。」と言われて前日に怒ったことを思い出しました(笑)」
「100年のワセダラグビーには、不変のものとして、子供たちから憧れられる存在であり続けて欲しいし、さすがはワセダ、ワセダラグビーと言われる存在であって欲しいと思っています。チームミッションである、ラグビーを通じて、見ている方、支えてくれる方に、夢と希望、感動を与える。そして、多彩な人材を輩出していって欲しいです。色々な人間が集り、化学変化し、プレーヤーとしてだけでなく、各界のリーダーを輩出する。そういう存在であり続けて欲しいですね」
関連する名言
「すべて、何も皆、事のとゝのほりたるは、あしき事なり。し残したるを、さて打ち置きたるは、面白く、生き延ぶるわざなり。」
— 吉田兼好
「最善は善の敵である」
— ヴォルテール
「大成は欠けたるが若し、その用は弊れず」
— 老子
「完璧主義は、抑圧者の声であり、人々の敵である」
— アン・ラモット
「何かに失敗することなく生きるのは不可能です。あまりに慎重に生きて、生きていないのも同然になるのなら、その時あなたは最初から失敗しているのです」
— J.K.ローリング
「地上には、善だけを行って罪を犯さない義人は、ひとりもいない」
— 旧約聖書
「正義は、社会を統べる中心の星である。」
— ピエール=ジョゼフ・プルードン
「社交性は、相互闘争と同じくらい自然の法則である。」
— ピョートル・クロポトキン
「相互扶助の習慣を身につけた動物こそ、疑いなく最も適した者である。」
— ピョートル・クロポトキン
「思いやりは、社会生活から必然的に生まれるものである。」
— ピョートル・クロポトキン