子どもの自転車の補助輪をはずすと、怖がって嫌がる。ちょっと行って、ひっくり返ってすりむく。すりむいて、けがするなとは絶対いってない。努力したことに対してだめだな、とは一回もいっていないはずなんだ。怒ることは絶対ない。だから、勇気をもって、時には手放さないと

蜷川幸雄

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楽なとこに行き過ぎるなよ
商業演劇へ行ったら、あまりのひどさに驚いたんです。脇役の俳優たちの横暴さ、自覚のなさに。なんだ、演劇全体が腐ってる、と思いましたね
今、上演中の『海辺のカフカ』でも、「それは想像力の問題なんだ。夢で荷担した人は、その夢に責任をとらなきゃいけない」という台詞があるんですけど、まさしくそういうことを、自分たちの集団でやりたかった
自分たちが直接やったわけではないけども、やはりシンパシーを持って時代と共に走ったことについての心情的な責任をとらなきゃいけないなっていうことがあるんです
(現代人劇場は)状況と直結しているような内容を、ある種の過激なひた走り方でやっていく集団でした。ですから、同時代の若い人たちにはものすごく受けたと思うんですよ
人と違うことをやることで、なんとか自分の存在証明をしたかったんでしょうね。人と違う、すごいものを作りたいっていう思いだけはありました
アートシアター新宿文化で演出家になったわけですけども、あそこは狭い劇場だから、他の劇団が演劇をやるときはみんな、人数が少ない芝居をやるんですよ。ぼくは、じゃあ逆に、大勢出る芝居をやろう、狭いからこそ大勢出る芝居を作ろうと考えた
現代人劇場をみんなで作ったときから、人のやってないことをやりたかったんですね
「じゃあ自分でやろう」と思って、稽古場で、自分で構成した作品を研究生とやったら、劇団から「電気代払え」と言われて
本を読んだ感想を聞いて、演技を見て、いいとか悪いとかって批評してくれる。倉橋さんの演劇を全部いいとは思わないけれども、演出家のあり方というものについては習いました

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