名言大学

批評家──自分に機嫌をとる者が誰もいないところから、
自分は気難しい人間だと自負している連中。

アンブローズ・ビアス

冷笑家──視力に欠陥があるため、
ものごとのあるべき姿ではなく、
あるがままを見てしまうヘソまがり。

アンブローズ・ビアス

友情──友情号とは、
天気のよい時には人を二人乗せることができるが、
天気の悪い時にはたった一人しか乗せることができない、
・・

アンブローズ・ビアス

エゴイストとは、
他人のエゴイズムのことを、
少しも考慮しない人のことである。

アンブローズ・ビアス

歯医者──あなたの口の中に金属を入れ、
あなたのポケットから金(かね)を抜きとる手品師。

アンブローズ・ビアス

機会──失望をつかみたければ、
これが好機。

アンブローズ・ビアス

人生──肉体を貯蔵して腐敗しないようにする精神的な漬け水。
我々は、
この漬け水がなくなりはしないかと思いながら生きている・・

アンブローズ・ビアス

野心──生きている間は敵から悪し様(ざま)に言われ、
死んでからは友人から物笑いにされたいという抑えがたい欲求。

幽霊──内なる恐怖が外に現れた、
目に見えるしるし。

アンブローズ・ビアス

苦痛──友人の繁栄に曝(さら)されることによって罹(かか)る病気。

アンブローズ・ビアス

ART(芸術)──RAT(ネズミ)の組み合わせ文字から一字を動かしたもの。

アンブローズ・ビアス

教育──自分らの理解力に限界があるということを、
賢者に悟らせ、
愚者には隠してみせるところのもの。

アンブローズ・ビアス

同盟──国際政治において、
お互いに自分の手を相手のポケットに深く差し入れているため、
単独では第三者のものを盗むことがで・・

アンブローズ・ビアス

野心──生きては敵にののしられ、
死しては味方の物笑いになりたいという、
抑えがたい欲望。

経験──これまで我々が奉じてきた愚行が、
あらずもがなの古なじみである、
と分かるようにしてくれた英知。

アンブローズ・ビアス

平和──国際関係における、
戦争と戦争の合間の、
だまし合いの期間。

女性──普通「男」の近くに住む、
順応性の少ない動物。

アンブローズ・ビアス

財産──どんな物質的なものでもよい、
それになにも特別の価値がなくとも、
それを甲が所持していて、
乙が欲しがっても渡すまい・・

アンブローズ・ビアス

発言──できの良くない頭の中身を陳列し合う法。
お互いに、
自分の商品の配列に夢中で、
隣人の陳列した商品を、
眺める余裕が持・・

アンブローズ・ビアス

反乱──失敗に終わった革命。

殺人──一人の人間が他の一人の人間のために殺されること。
殺人には四種類ある。
すなわち、
兇悪(きょうあく)な殺人、
恕(ゆ・・

アンブローズ・ビアス

大砲──国境を修正するのに用いられる道具。

アンブローズ・ビアス

野党──政治において、
政府与党の足を切断することによって、
乱暴狼藉の限りを尽くさせぬようにしている政党。

アンブローズ・ビアス

人の読書で分かるのが学びと育ち。
何が笑いを誘うかで、
その人の未来を卜(ぼく)す。
読むなかれ、
笑うなかれ。

アンブローズ・ビアス

卑屈──富とか権力を前にして執るところの好ましい習慣的な心の態度。

アンブローズ・ビアス

反省──昨日の事物と自分の関係をとらえ、
再び遭遇することのない危険を避けること。

アンブローズ・ビアス

気晴らし――一般的な疲労を癒す、
特殊な失意

アンブローズ・ビアス

知り合い──相手が貧乏だとか無名であった場合には、
顔見知りくらいだと言われ、
金持ちだったり、
有名だったりする場合には、
・・

アンブローズ・ビアス

礼儀──文句なく是認(ぜにん)される偽善。

アンブローズ・ビアス

日記――自分の生活の中で、
自分自身に対して赤面せずに物語ることのできる部分についての日々の記録。

アンブローズ・ビアス

恋愛――患者を結婚させるか、
あるいはこの病気を招いた環境から引き移すことによって治すことができる一時的精神異常。

歴史――おおかた悪い支配者と、
馬鹿な兵士によって惹起(じゃっき)された、
おおむね事業ではない出来事に関する、
おおよそ間・・

アンブローズ・ビアス

歴史──たいていは悪党である支配者と、
たいていは愚か者である兵士によって引き起こされる、
主として取るに足らぬ出来事に関・・

アンブローズ・ビアス

行為によりて記憶を、
好機によりて思慮深さを、
正確によりて高尚さを、
労苦によりて制御を、
恐れによりて敬虔を、
富みによりて・・

アンブローズ・ビアス

世界で最も影響力のある生き物は、
雨に濡れて震えている犬である。

アンブローズ・ビアス

成功──人がその仲間に対して犯す、
ただ一つの許し難い罪。

人間──自分で考えている自分の姿に有頂天に見入っていて、
明白な自分のあるべき姿を見落としてしまう動物。

アンブローズ・ビアス

企てはゆっくり落ち着いて。
いったんやり出したら熱心に。

アンブローズ・ビアス

労働──AがBのために資産をつくるプロセスの一つ。

アンブローズ・ビアス

自制──先行する偏愛の道楽である。

アンブローズ・ビアス

世間──不特定多数の個人。

アンブローズ・ビアス

野心──生きているうちは敵から罵言され、
死後は味方から冷笑されたいといった、
抑え切れないような激しい欲望。

追伸──ご婦人の手紙の中で、
急いでいるときにはそこだけ読めばよい部分。

アンブローズ・ビアス

隣人――われわれのほうでは、
命令のあるように、
己を愛するようにしているのに、
あらゆる手を尽くして、
その命令に背かせよう・・

アンブローズ・ビアス

不運──決して取り逃がすことのない種族の運。

アンブローズ・ビアス

格言――歯の弱い者にも噛めるように、
骨を抜き取った人生の知恵。

アンブローズ・ビアス

金銭──邪魔にならない財産。
手放すとき以外、
何の利益ももたらさない。

アンブローズ・ビアス

法律家──法律の網をくぐる技術に熟練している者。

アンブローズ・ビアス

会話──二流以下の連中が、
お互いに自分の頭脳の中身を陳列し合う共進会。
ただし、
誰も彼も自分の商品を並べ立てるのに忙しく・・

アンブローズ・ビアス

幸福──他人の不幸を眺めることから生じる快適な感覚。

アンブローズ・ビアス

アンブローズ・グウィネット・ビアス(英語: Ambrose Gwinnett Bierce, 1842年6月24日)は、アメリカ合衆国の作家、ジャーナリスト、コラムニストである。代表的な作品に、『悪魔の辞典』(The Devil's Dictionary)、短編小説「アウル・クリーク橋の一事件(英語版)」(An Occurrence at Owl Creek Bridge)がある。人間の本質を冷笑をもって見据え、容赦の無い毒舌をふるったことから、「Bitter Bierce」(「辛辣なビアス」)と渾名された。