名言大学

人にとって究極のチャレンジは、
自分が生きている価値を見つけること

僕自身も自分が生きている価値なんてわかりません。
だから、
いまだに探し続けているんです

「人が生きていることに価値はあるのでしょうか?
」時おり、
高校生からこんな質問を受けます。
そんな時、
僕ははっきり 「価値などない」と答えます。
でも「だから探すんだ」 と必ず言葉を継ぐ

これまでのスピーカーというのは、
忠実に音を再現するということはやってない。
人間がしゃべると体で反響するけど、
スピーカーはそういう音の再現方法はとってないんですね

たとえば、
アンドロイドに触っていいと言われても、
人は無意識に躊躇するんですよ。
どこかで人間だと思っているから

ふだん意識して見ていない自分の癖は、
見ても自分のものだとは思えない。
自分は自分のことを他人ほどは知らない、
ということです

学生が私の癖や仕草を正確に再現したんですが、
驚いたのは、
私にはそれが自分の癖だとは思えなかったこと。
自分の声を録音して聞くとへんな感じがするのと同じです

失敗したら死ななければならない。
そこまで突き詰めていたら、
人は何ごとに対しても必死になって頑張るものです

戦争で銃火にさらされている時に、
そんな悠長なことを言っていられるわけがない。
落ち込んでもいいという甘さがあるから落ち込むのです

「落ち込んだ、
もうダメだ」なんて言ってる暇もないはずです。
落ち込んでいられるのは、
それだけゆとりのある環境で暮らしているからでしょう

どうして僕らはサルと違ってこんなに大きな大脳を持っているのか、
それって人間とは何かを考えるためでしょ

悩むことが楽しいんですよ。
悩まないのはゴキブリですから。
研究ではやりたいことがありすぎて、
どれをやるかは多少悩みますけど

根本的な違いは、
人間のような生体がゆらぎ(ノイズ)を利用していること。
分子から細胞まですべてがゆらいでいて、
それを自然なままに利用している

人間の脳は、
電気に換算すると1ワットしか食わない。
でも、
人間と同じような複雑な機能を持ったスーパーコンピューターは、
5万ワットも使います

幸い、
予算をとるのは得意な方ですね。
そういった実務を面倒がる研究者もいるでしょうが、
お金がかかる研究したいなら金は何とかして集めないといけない

人間と長くしゃべり続けられるアンドロイドは、
少なくとも私が生きている間にはできないと思います

私はゴキブリといっしょになりたくないわけです。
なにもせずに、
食って寝てクソするだけ。
それって人間?

人間とは何かを考えることこそが、
人間として生きることであり、
働くことなんだと

私自身はこう考えています。
心の存在は強く感じる。
でも感じるがゆえに、
心の存在に疑問をもちます。
ロボットを研究すればするほどその疑問は強くなります

人間とは何か?
なぜこの世に生きながらえるか。
生きるということは、
身をゆだねるということ

組織に慣れると、
自分を追いつめるものがなくなる。
私は常に自分を追いつめていたい。
追いつめない限り、
自分の能力を引き上げるものはないので

ポリシーとして3年で環境を変えるべきだと思っているんです。
それ以上同じところにいたら、
ぬるま湯につかる感覚が出てきてしまう

「ジェミノイドと恋愛できるか?」と聞いたら、
できるという人がほとんどでした

いったんジェミノイドと話し始めると普通に接するようになった。
いつも一人でご飯を食べて淋しかった人が、
ジェミノイドと一緒にご飯を食べたら淋しくなかったそうです

私は、
ジェミノイドが携帯電話に続く新しいメディアになると思っています。
電話は場所と場所を越えて人をつなぎ、
携帯電話は場所と時間を越えて人をつなぎましたが、
ジェミノイドは人間の存在を遠隔地に送る新しいメディアになります

人よりも人らしいアンドロイドを作ること。
いわば人間のマキシマムデザインです。
人間より豊かな表情を持ち、
言語の表現能力が非常に高いアンドロイド。
それに人間らしい社会行動をプログラムすれば、
普通の人よりはるかに完璧な人間ができあがるのか

普通、
教授が他の教授の弟子になるみたいなことは、
プライドがあってしないでしょうけど、
私は別に問題なかった。
プライドと研究、
どっちが大事なんだと。......

遠隔操作型ロボットはタブー、
というか、
そんなことやってもしょうがないという雰囲気でしたが、
私は無理なことをいつまでもやっててもしょうがないし何か間違っているのかもしれないとも思いました。
問題を解けないままに置いといて、
次にできることをやるしかないんです

人間であるわれわれが『こいつは人間だ』と思えば、
それは人間であり、
人間がどういうものか確定できる。
つまり、
ロボットは人間の鏡のようなものなんですよ

(不気味の谷の)もう一番深い所は超えました

私は人間としての最低限の形も追求したい。
ミニマルデザインの「ジェミノイドM」です。
目は動きますが、
顔の造作はごくシンプルなもの

テレノイドは、
外見的には目などの対話に必要なものだけを残して、
あとは削り落としているんです。
でも、
人間らしさを感じるでしょう。
人は、......

人とは何か。
心とは何か。
そこに 一切の折り合いをつけないっていうのが研究者として一番大事なこと

女性アンドロイドを1.5mほど離れた状態で2秒だけ見せる実験をしました。
動きのない状態のアンドロイドでは8割の人が人間ではないと気づきましたが、
自然な目の動きと体の動きがあるアンドロイドを見せると、
7割の人が人間だと答えました

アンドロイドには無意識に人間を感じる。
意識すれば違いがわかるけど、
短時間では人間と区別がつかない。
それがアンドロイドの迫力であり、
おもしろいところです

自分の命より軽い研究をやっている奴なんて信用できないでしょ。
そんな人が歴史に名を残すような研究はできません。
というと、
他の先生には「きつすぎる」と言われますけどね

自分の人生や人間としての生きる目的をいろんな場面で考えたときに、
やはり人間は人間を知るために生きているんだと感じる。
そして研究者というのは、
非常に素直にその目的に向かえる職業だと実感したとき、
研究者になってよかったと思える

人間とは何かはわからないけれども、
漠然とわからないのではなく、
人間がどれだけ複雑か、
どれだけ神秘的かが研究の中で少しずつわかるようになってきている、
という感覚があります

不気味ですよね。
でもあなたがこれを人だと認めているから不気味なんですよ

中途半端なものを作ったらバカにされるだけ。
やるからには迫力あるものを出して、
くだらない議論を飛び越えたところで認めてもらう以外にない

十分な理由づけができれば、
一気にいきます。
中途半端にやるのが一番よくない。
というのは、
アンドロイドのときにも思いました

昨年の事業仕分けで、
二番ではいけないのか、
という発言がありましたが、
そんなのダメに決まってます。
一番をとる以外は研究じゃない。
そこがわかってない人に税金を割り振られる国では、......

恐らくクローン人間のような存在は、
今の社会では受け入れられないだろう。
でも、
人間や心の定義ってどんどん変わっていっていて、
クローン人間が人権を持ち、
差別なく受け入れられることも可能性としてあると思います

それでも、
やっぱりアンドロイドは機械で人間とは違うじゃないか、
と人は思うわけです。
では、
機械と人間の最も大きな違いはなんなのか

鷲田(清一)先生は臨床哲学で、
僕はアンドロイド。
でも実はおんなじことをやっている。
「ひとってなにか」「生きるってどういうことか」っていうのを、
違うフィールドでおんなじようにやっているっていうことがよくわかる本。
要するに、......

ジェミノイドは、
人よりも人間らしく死にます

けしからん事に誰もジェミノイドを送り込んだ会議に出張費を払ってくれない。
生身の私が来ないとダメだというけど、
今まで私に脳があるか、
内臓があるかなんて確かめた事ないじゃないか

服装は他人が最も認識しやすいアイデンティティじゃないですか。
それを変えようとする理由がわからん

我々と自分の体とのつながりなんて、
わずかなものです。
呼吸したり歩いたりしていても、
体が勝手にやってくれているのを時々確認してるだけじゃないですか。
そんなもの機械に置き換えられるに決まってます

倫理などと口にする科学者は本物じゃないと思います

石黒 浩 (いしぐろ ひろし、1963年10月23日をそれぞれ務める。二足歩行ロボットや外見や動作が人間に酷似するアンドロイドなどを研究する。石黒が参加する産学協同の「チーム大阪 (Team OSAKA)」は、ロボカップ世界大会のサッカー競技ヒューマノイドクラスで2004年から2007年まで優勝する。