名言大学

受賞の理由となった『ニュートリノ振動の発見』は私一人では成し遂げることはできなかった。
そういう意味では、
ただありがたいという気持ちでいっぱいです

私たちが研究を進める根拠は、
なにより自分たちの目で見てきた事実でしたので、
間違ってはいない自信だけはあったからだと思います

(重力波の検出は)宇宙線研究所全体での目標でもあります

個人的な考えだが、
基礎研究も重視してほしい

重さを持つ物は、
その重力によって周りの空間を歪めます。
その物体が激しく運動をすると、
空間の歪みも揺らぎ、
波のように伝わっていく。
これを重力波と呼んでいるのです。......

認められるまで、
自分の道が正しいと思って頑張った

実験は理論を確認するだけのものではありません。
観測事実があれば、
それを説明する理論が必要になる。
あるいは逆に先行する理論があり、
それを実験で証明する

私たちが住む宇宙は、
まだまだ分からないことがたくさんあります。
そのような大きい問題というのは、
1日とか2日とかいう短い間の研究で解決できるものではなく、
沢山の人が興味をもって、
長い年月をかけて解き明かしていくものです

私は実験屋ですから、
やっぱり理論屋の人たちが予想したものとは違う現象を実証することに面白さを感じます

初めは自分たちのデータ解析に間違いがあるのだろうという疑念のほうが強かったんです

私たちが挑む相手は自然現象。
どうなるかは神のみぞ知ることです

実験にどっぷりと浸かった毎日でした

小柴先生の熱意に応えるため、
私達も一生懸命働きました

ノーベル賞受賞の報告を受けたのは、
東京大学の本郷キャンパスです

(『カミオカンデ』は)巨大な施設にもかかわらず、
設立メンバーはたった12人。
小柴先生や戸塚洋二先生らのほか、
若い大学院生やスタッフで構成されていました

大学に入る時に、
やりたいと思う学科に進むことがとても重要です

(研究者に必要な資質は?
)タフで、
しなやかでなければいけない、
と思います。

素粒子に惹かれたのは、
純粋な知的好奇心で、
自然界の成り立ちを知りたいと思ったからです

大学院の受験時には、
どの先生がどんな研究をしているのか全然知らなくて、
ただ素粒子の研究ができる研究室を探していました

日本で研究ができて良かったと心から思います。
終戦後、
何もできない状況から、
奇跡の高度成長を遂げたからこそ、
今では基礎研究にも力を入れられるようになった

理科離れとか博士課程に進む学生が減っていると言われますが、
KAGRAのような基礎科学の研究は、
人類の知の地平線を拡大する仕事で、
それに関わるのは非常にやりがいがあると思います

日本、
アメリカ、
ヨーロッパ、
この3台(の観測装置)が互いに協力して観測する必要性が近いうちに必ず出てきます。
『国際競争』ではなく、
『国際協力』しないと次の段階へは進めないところまで来ているのです

空間に対する概念がこれまで私たちが日常思っているものとは少し違うということを広く知ってもらいたいし、
またブラックホールの直接観測のようなことも私たち人類にとって重要なことだと思います

(情熱をもって研究を続けられるのはなぜでしょうか?
)サイエンスが重要だと思うからですね。
人類社会にとって広く共有されるべき結果が明らかにされるはずだと信じているからです

人類史上初の重力波検出によって、
宇宙の理解が全く別の角度から始まる。
それは人類の知的財産という意味でものすごく重要なステップになるはずです

KAGRAは人類史上初めて、
「重力波」という波動現象をとらえることを目指していますが、
私は、
KAGRAによる重力波の検出は、
重力波を使ったサイエンスを進めるための第一歩だと思っています

我々は小柴先生のつかんだ流れに乗っていただけという感じもしますね

小柴先生がノーベル賞を受賞されたことは当然ととらえていました。
先生の受賞理由(宇宙ニュートリノ観測)は物理学において非常に重要な課題だったので、
受賞は当然、
単にいつ受賞されるかの問題だと思っていました

1991年にスーパーカミオカンデのプロジェクトが国に認められ、
建設に5年かかり、
1996年に観測データを取り始めました。
十数人で草の根的に進めていたカミオカンデの時と異なり、
国の大きな予算がつき、
装置の規模はおおよそ20倍、......

小柴先生を始めとする研究者の「これがやりたい!」という思いから、
主要なメンバーによるお金集めからスタートしたものでした

カミオカンデはきわめて成功した実験ですが、
国から大きな支援を受けたプロジェクトではありませんでした

原理から物事を考え説明するところに惹かれて、
学部では物理を学ぶことを選びました

これまでずっと研究の楽しさや新しい発見の喜びを味わわせていただいてきた。
今度は私が若い人たちにそういう場を提供することが、
恩返しだと思っています

宇宙線研究所長という立場に立たせてもらって、
改めて組織の難しさというものも感じています

宇宙線研究所は施設も大規模ですし、
グループも大人数です。
自分のやりたい研究だからというだけで、
簡単に装置が作れるわけではない。
その装置がいかに重要かということを、
時間をかけて広く知ってもらい、......

カミオカンデのような大きい施設の建設には、
国民の皆さんの税金を使わせていただいている。
それを受け入れてくれる心がなければ、
絶対できませんでした

梶田 隆章・宇宙線研究所所長(第8代)・教授・カブリ数物連携宇宙研究機構主任研究員、埼玉大学フェロー、東京理科大学理工学部非常勤講師、日本学術会議会長(第30代)、内閣府総合科学技術・イノベーション会議議員、文化功労者。