名言大学

恋というやつは一度失敗してみるのもいいかも知れぬ、
そこで初めて味がつくような気がするね

生の喜びを感ずるときは、
つまり自己を感ずるときだと思う。
自己にぴったり逢着するか、
あるいは自己をしみじみと噛み味わっているときだろうと思う

花も葉も光りしめらひわれの上に笑みかたむける山ざくら花

かんがへて飲みはじめたる一合の二合の酒の夏のゆうぐれ

泣くことの出来ない悲哀、
世の中にこれくらい辛く恐ろしくすさまじいいものはありますまいねえ

恋は憶ふべきものでするべきものでないかもしれぬ

おもひみよ 青海なせるさびしさにつつまれゐつつ恋ひ燃ゆる身を

われは海の声を愛す。
潮青かるが見ゆるもよし見えざるもまたあしからじ、
遠くちかく、
断えみ断えずみ、
その無限の声の不安おほきわが胸にかよふとき、
われはげに云ひがたき、......

それほどにうまきかと人のとひたらば なんと答へむこの酒の味

海よかげれ水平線の黝(くろ)みより雲よ出で来て海わたれかし

しら玉の歯にしみとほる秋の夜の 酒はしづかに飲むべかりけり

うすべにに葉はいちはやく萌えいでて 咲かむとすなり山桜花

ふるさとの 尾鈴の山のかなしさよ 秋もかすみのたなびきて居り

山を見よ 山に日は照る 海を見よ 海に日は照る いざ唇を君

日向の国 都井の岬の青潮に入りゆく端に独り海見る

幾山河こえさりゆかば 寂しさのはてなむ国ぞ 今日も旅ゆく

白鳥は哀しからずや 空の青 海のあをにも染まずただよふ

若山 牧水(わかやま ぼくすい、1885年(明治18年)8月24日 - 1928年(昭和3年)9月17日)は、戦前日本の歌人。本名・繁(しげる)。